【助動詞 would】について解説。wouldには過去だけでなく現在の意味もあります。

英語学習

こんにちは、Mugikoです。

大人の方に学び直しの英語を教えています。

【助動詞 would】の使い方がよくわからいという方が多いので解説してみました。

先日のリスニングの問題で

“That would be much better.”

というのが出てきました。

問題を解いていた生徒さんが、

「 wouldってwillの過去形じゃないんですか?」と質問。

この一文が使われた状況はざっくりこんな感じです。

[ホテルで]
「部屋が道路に面しているからうるさいのでどうにかしてほしい。」
「反対側で川に面している部屋が一部屋空いていますが…。」
“That would be much better.”
そっちのほうがずっといいですね。

このシチュエーションなら「それはありがたい」という意味でもいいかもしれません。

リーディングの勉強をしていて、あんまり深く考えずこんな感じの意味だろう、と勝手に意味を想像して読むことってありませんか?

使い方を学べば、小説などを読んでいても「ここはこういう気持ちで言ってるんだ。」というのがわかるので、楽しく読むことができるようになります。

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【助動詞 Would】の使い方をざっくりと学ぼう。

wouldはwillの過去形というのは中学校で習うので知っていますよね。

would は will の過去形の意味だけではなく、現在の意味もあるということも学んでくださいね。

【助動詞 would】は「過去」と「現在」の意味がある

■ wouldが過去の意味を表す場合(過去形として使われる場合)

  1. 時制を一致させるとき(単純にwillの過去形として使われる。)
  2. 過去の話の中で主語がある出来事について強い意志を示している場合
  3. 過去の事がらについて推量するとき
  4. 過去の習慣的なこと(よくやっていたこと)について伝えるとき

■ wouldが現在の意味を表す場合

  1. 主語の意思・希望を表すとき
  2. 弱い推量(実質的な意味はwillに近い)を表すとき
  3. 文中または言外(文中には書かれていない)に仮定の話があるとき
  4. 丁寧な依頼・勧誘、控えめな表現として使われるとき
  5. 慣用表現(決まった言い方)

【ポイント】wouldは過去の意味を表す場合と現在の意味を表す場合とがあります。まずここを覚えておきましょう。

ことばには必ず文脈(前後の話)があるので、ある程度まとまった文章を読んで、文の前後からどの意味になるのか考えるのが一番理解しやすい方法だと思います。

問題集のような一文だけが書かれているものだと、文脈がないのでちょっとわかりにくいかもしれません。

練習として、英語の小説や新聞、リーディング問題の長文などで would を探してどの意味になるのか考えながら読んでみてください。

【助動詞 would】が過去の意味を表す場合(過去形として使われる)

・過去の意味を表す場合は

・時制の一致
・過去の強い意思
・過去の事がらの推量
・過去の習慣的行為

この4つの意味がありましたが、これだけだと何のことだかよくわかりませんよね。

それぞれどういう時に、どういうふうに使われるか見てみましょう。

時制(時間)を一致させる時(willの過去形として)

[例文] 
・He said (that) he would be away for a couple of days. [ここではsaidがメインの動詞]
 彼は2、3日留守にするよと言っ。(間接話法)

→彼が「言った」のはいつ?
 その時点に立って考えてみたとき、2、3日出かけるのは「言った」時よりも未来の話なのでwillを使いたいが、間接話法の場合は、メインの主語と時間を合わせる必要があるのでwouldになる。
・He said, “I will be away for a couple of days.”
 「僕は2、3日留守にしますので。」と彼は言った。(直接話法)

→日本の小説や台本などの「ト書」と同じ。「」内のセリフは発言した通りに表すのでwill になる。
同じ内容でも「間接話法」と「直接話法」では(助)動詞の使い方が変わります。

ポイント】間接話法ではメインの動詞(ここではsaid)とそれに続く動詞(ここではwould be)の関係を考える必要があります。(同じ時に起こったことは同じ時制になります。)

過去の話の中で主語がある出来事について強い意志を示している

[例文]
・I tried to refuse his invitation, but he would insist on my coming. [heの強い意志]
 私は招待を断ろうとしたが、彼はぜひ来いと言って聞かなかっ。(主張した)。
・I tried to open the door, but the key wouldn’t turn. [the keyの強い意志]
ドアを開けようとしたが、鍵が(かぎ穴で)どうしても回らなかっ

【ポイント】ものが主語のときでも使えます。

過去の事がらについて推量するとき

[例文]
・I suppose she would be about 30 when her first novel was published.
彼女の最初の小説が出版されたとき、彼女は30歳くらいだったと思う。

【ポイント】willには推量の意味があるので、過去のある時点での推量はwould(過去形)になります。

過去の習慣的なことについて伝えるとき

[例文]
・I would often travel alone when I was a college student.
   私は大学生の頃、よく一人で旅をしたものだ。

【ポイント】昔を思い出しながら(懐かしがって)「〜したものだ」という感じです。単純に思い出しているだけ。今もしてるか、していないかは関係ない。
一方で、[used to〜]は「昔(かつて)は〜したものだ。(でも今はしてないよ。)←ここが大事」という意味。この2つの使い方を間違えないようにしましょう。

【助動詞 would】が現在の意味を表す場合

現在の意味を表す場合は

・主語の意思・希望
・弱い推量
・文中または言外に仮定を含む
・丁寧な依頼・勧誘、控えめな表現
・慣用表現

この5つの意味があります。
それぞれの使い方を見ていきましょう。

主語の意思・希望を表すとき

[例文]
・I would gladly meet your mother at the airport and drive her to the hotel.
 喜んでお母さんを空港でお迎えし、ホテルまで車で送りましょう。
・I know this rug is a real bargain; I wouldn’t buy it, though.
  この敷物が掘り出し物なのはわかります。でも、買うつもりはありません。

【ポイント】過去形でないかは前後の文脈を見るとわかります。別の動詞が現在形で書かれていますね。

弱い推量(実質的な意味は推量のwillに近い)を表すとき

[例文]
・That girl over there would be Beth.
   あそこにいる女の子はベスだろう。
・Who would believe your story?
  誰があなたの話を信じるでしょう。

【ポイント】実質的にはwillに近い意味ですが、would は基本的に仮定の意味を含んでいるので「おそらく」といったニュアンスが含まれます。

文中または言外(文中には書かれていない)に仮定の話があるとき

[例文]
・If he is so sick, he would be better off in a hospital.
  もし彼がそんなに具合が悪いのなら、入院した方がずっと楽でしょう。
・A romanticist like you would naturally think so.
  あなたのようなロマンチストなら、当然そう思うでしょう。

【ポイント】wouldは基本的に仮定の意味合いを含んでいます。「もしそうなら」というような意味が隠れているという感じですね。

丁寧な依頼・勧誘、控えめな表現として使われるとき

[例文]
Would you lend me a hand, please?(依頼)
 手を貸していただけませんか?
Would you care for another drink?(勧誘)
 お代わり(の飲み物)はいかがですか?
・It would be difficult for us to accept your offer.(控えめな断り)
 あなたのお申し出をお受けするのは無理かと存じます。
I would say (that) it will take about half an hour.
 おそらく30分ほどかかるでしょうか。(かかると思います。)

【ポイント】丁寧に言われて怒る人はいないので、スラング等より先に覚えておくほうがいいと思います。

慣用表現

[例文]
[would like]
Would you like (to have ) some more coffee?
  コーヒーをもう少しどうですか?
・I would like to see him right now.
  彼にいますぐ会いたいと思います。
[would rather]
・I would rather stay at home than go with him.
  彼と一緒に行くくらいならうちにいた方がいい。
・I would rather (that) she sat next to me.
  彼女に隣に座ってほしい。
(would rather that 〜の形。that節の中は仮定法←なので過去形)

※would sooner〜も同じ意味になります。どちらかというとイギリスで使われます。(むしろ〜したい)
[ I wish you would…](仮定法)
I wish you would shut up.  I’m trying to think.
  黙っていてくれないか。僕は考えごとをしようとしているんだ。

【ポイント】慣用表現は「ここはなんでrather?」のようなことは考えず、この形で丸暗記するのがベストです。

(参照)英文法解説(江川泰一郎著/金子書房)・ロイヤル英文法(旺文社

まとめ

いかがでしたでしょうか?

なかなか、私たち日本人には現在の意味での使い方は難しいですね。

文法を理解したら、小説や新聞などをたくさん読んで感覚をつかむことも大切です。

ちなみに、最初の”That would be much better.”のwouldは「もし変えてくれるなら」という文外の仮定が含まれている現在の意味の3番ですね。

wouldは単にwillの過去形としての意味だけでなく、

過去の意味として使う

現在の意味として使う

この用法があることをしっかり理解してくださいね。

今日から英文を見ると、きっとwouldという単語が気になり始めますよ。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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